手放すことは悪いことではない
新しいことを始めるとき、何かを手放さなければならないことがあります。
例えば、転職して新たな環境で働くことになった時、これまでの習慣や時間の使い方を見直さなければならないかもしれません。
新たな挑戦をするために、心地よい環境を手放して旅立つことを決断した人もいるでしょう。
仕事に打ち込むことで家族や友人との時間が減り、ジレンマを感じることがあるかもしれません。
わたしたちの人生は選択の連続です。
何かを得るために何かを手放すことは、決して悪いことではありません。
その選択が自分にとって価値のあるものならば、それは前向きな「手放し」なのです。
すべてを手にできないからこそ
どれほど努力しても、すべてを完璧に手に入れることはできません。
仕事も家庭も趣味も、すべてを100%の力でこなすことは不可能です。
だからこそ人は工夫し、それを乗り越えた時に大きな達成感が得られるのではないでしょうか。
特に50代になると、気力や体力も少しずつ下がってくることに気づかされます。
無理をしてすべてをこなそうとするよりも、大切なものに自分の時間と労力を集中投下することを考えてもよいのではないでしょうか。
過去、まだ自分が経験も少なく時間も体力も十分にあった時、あれもこれもチャレンジしてみた経験が今の自分を形づくり、「あなたらしさ」を豊かに彩ってくれていることでしょう。
失敗した、あきらめた経験も「宝物」です。
これからは「できること」と「できないこと」を分けて、どこに自分のリソースを多く割いていくかを考えてみませんか?
例えば、私は40代半ばで「子供がいる人生」という夢を手放しました。
今は、不妊治療の経験をキャリアコンサルタントや不妊ピア・カウンセラーという仕事の中で生かしたり、保育士の資格を取得して、保育士さんのキャリアアップ研修に携わったりしています。
そんな風に、手放して空いたスペースに、また新たな何かすっと入ってくることもあるのです。
何を手放し、何を手にするか

50代になると、時間も体力も有限であることに少しずつ気づいてきます。でもまだ人生の時間は残されている。
無理に多くのことを抱え込むのではなく、本当に大切なことを選ぶ力がこれからは必要です。
例えば、人間関係。すべての人と付き合うことはできません。
心がすり減るような関係は思い切って手放すことで、自分を大切にする時間が増えます。
それほど頻繁ではなくても、会うと元気になれる友達がいることで、心豊かになることができます。
また、物もそうです。
使わないものを手放す、すなわち本当に手元に残したい物を厳選していくことで、生活がシンプルになっていきます。
そして、本当に必要なものに囲まれる心地よさを感じられるでしょう。
年齢を重ねると片付けがおっくうになってきますので、体力があるうちに少しずつ進めていきたいですね。
自分にとっての優先順位を見直す
手放すことは、諦めることではありません。
何を大切にするのか、優先順位を決めるための前向きな選択です。何を手放すかを考えることは、何を残すかを考えていくことでもあります。
仕事、家族、趣味、健康、人間関係……限られた時間の中で何を大切にしたいか。
時ととも、年齢とともに、優先したいものも変わってくるでしょう。
子ども中心の生活だったけど、もう社会人になったのでこれからは自分の時間を優先したい。
職場と家の往復ばかりだったから、少しずつ地域との関わりを持ちたい、などなど。
自分にとって大切なことをもう一度見つめなおしてみる。それをより一層大切にしてみる。
そんな意識を持てたら、50代からの人生、心がより満ち足りたものになるでしょう。
「今、自分が本当に欲しているものは何か?」と問いかけながら、軽やかに生きるための選択をしていきたいですね。
あなたが本当に大切なものを見つけ、穏やかな気持ちで過ごせますように。