キャリコンからの相談が増加中
キャリア相談を受ける中で「実はキャリアコンサルタントの資格を持っている」「キャリコンの勉強中」「興味がある」という方がちらほら、いやかなりいらっしゃいます。
最初から開示される場合もあるし、面談の終盤で「実は…」と明かしてくださる方も。
予約時にはそういった記載がないので内心「そうなのか…」と少し驚いたりしているのですが、表情には出さずに対話を進めていきます。
「本当はその話をしたかったのかな」「言わないつもりだったけど、話しているうちに言ってもいいかもと思ったのかな」などと考えながらお話を聴いていきます。
キャリコンがキャリコンを受けることの意味について考えてみたいと思います。
自分のことはわからない
キャリアコンサルタントとしての知識や経験を持っていても、自分がどうしていきたいのかは意外と漠然としているものです。
キャリアコンサルタントを目指したきっかけ、勉強してみてどうだったか、今どんなことで迷っている、今後どんな分野で活動していきたいか…などなどを聞きながら一緒に考えていきます。
試験に無事合格したものの、仕事の獲得のし方に関するお悩みも多い印象です。
養成校では資格を取得するまではクラスメイトと一緒に助け合いながら合格を目指しますが、合格後の面倒はあまり見てくれません。(養成校に登録出来たり、メールマガジンで案内が来たりはしますが)
合格後は基本的に「ご自身でどうぞ」といった感じになることが多いです。(…あくまで私の印象です)
でも、自分で自律的に考えて動いて、開拓して行くことがプロのキャリコンとしての第一歩なのかな、と最近は思います。
「私は一体どうしたらいいんでしょうか?」という姿勢だと少し厳しいかもしれないです。
仕事を得ていくこと、取引先を開拓していくこと、自分の分野を明確化していくことなどもキャリコンとして求められていくことなのかもしれませんね。
自分で仕事を開拓して得ていくことが求められますが、経験がない場合は「ゼロ→1」を得ることがなかなか難しかったりします。
明確な分野がないことに悩まれている方もいますが、私は、いろいろな分野に携わりながら自分の経験・スキルとマッチするところが少しずつ見えてくる感じがしています。
「自分のこれまでの経験・強み×キャリコン」を掛け合わせた分野を自分で生み出していくことが話を聴く中で浮かんできますので、それを率直にぶつけてみることもあります。
私の場合は当初会社に所属していましたが、コロナ禍を期に早期退職してキャリアコンサルタントを本業としていきました。
最初の頃は、仕事の募集があれば細かい仕事でも、多少分野が違ってもひたすらエントリーしたり、キャリコン同士の交流の場にオンラインなどで参加したりしながら情報収集をしていきました。
そうしていくうちに少しずつそれが「実績」としてアピール材料となり、次の仕事につながっていきました。
実感としては、3年くらいしてようやく、自分がやりたい分野や、楽しいと感じる相談業務や研修に携われるようになった感じです。
試験合格後の養成校の説明会では「需給調整機関」「会社内人事」「大学等キャリアセンター」「フリーの研修講師」といった方々が経験談を話してくださいました。
説明会の最後にグループに分かれて質問できるコーナーがあったのですが、なぜか私はその時の自分と一番遠そうな「フリーの研修講師」の方に話をお聞きしました。
それが今、研修などのお仕事を多くしていることにつながっており、つくづく不思議だなと感じています。「潜在的に興味があったのかな?」などと今では思います。
キャリコンの壁打ちの効果

ひとりで考えていると、同じ思考スパイラルに陥ってなかなか可能性が広がっていかないことがあります。
そんな時こそ、信頼できる壁打ち相手を見つけ、フィードバックを受けることで新たな視点や可能性を見出すことが出来るのではないでしょうか。
他者との対話を通じて「自分にブロックをかけていたこと」「不安に感じて踏み出せない理由」などを自覚する。
さらにその根本を探り、何を取り除けば一歩踏み出せるのか、その方法やタイミングなどを一緒に考えることができます。
私のイメージでは、壁だと思っていたところに実は「隠しドア」があって、それを一緒に見つける感じです。
壁だと思っていたところに実は新しい「可能性」のドアがあって、あけてみると光が「ピカーッ」と降り注ぐ感じです…!
まだまだ新たなルートがあって、結果的には同じ場所につながるかもしれないのだけど、新たなルートを通っていくことで新しい「経験」というアイテムが手に入るのです。(RPGみたいですね)
「なるほど、そんな考え方もあったのか」「そういう可能性もありますね」となっていくと、一緒に考えるのがとても楽しくセッションも盛り上がります。
新たな発見が生まれる瞬間に立ち会えることは、相談を受ける側にとっても大きな喜びとなるのです。
キャリコンにも相談相手が必要
キャリコンは普段悩みを受け止める側ですが、自分自身も定期的に悩みや葛藤を誰かに話して一緒に考えてもらうことが、よりよい支援につながるのではないかと思います。
スーパービジョンとはまた違う、キャリコンのためのキャリコン。
思わぬ解決策や新しい視点やアプローチを得ることで、前向きに進む力が湧いてくるでしょう。
なんだかモヤモヤする、考え過ぎてぐるぐるする、そんな時はキャリコンに相談して自分の思考や気持ちを整理してみてくださいね。
悩みながら、もがきながら前に進む経験がきっと、ご自身の相談業務でも役に立つことでしょう。
あなたの可能性は無限です。一緒にみつけていきましょう。