「私がやらねば」「長女なんだから」三姉妹の長女として育った私は、子供のころからずっと“しっかり者の長女”でいようとしてきました。
でも50代を迎えてその役割が「少ししんどい」と思うことも増えてきました。
勝手に課していた「しっかり」という”呪い”をゆるめたら、心がずいぶんラクになったのです。
この記事では、長女としてのプレッシャーを手放した体験から見えてきた「兄弟・姉妹の役割に縛られない生き方」について綴ってみたいと思います。
「しっかり者の長女」だった私
私は三姉妹の長女です。
3歳下、10歳下に妹がいます。かわいくて、しっかりした妹たちです。
父は男の子が欲しかったようで、そういったことを子どもの頃に何度か言われたことがあります。
物心ついたころから私は知らず知らずのうちに「長女 兼 長男」という役割を家の中で担うようになっていたようです。
何かあれば母の相談相手にもなってきました。
それが私が家の中での存在意義であり、少し大げさかもしれませんが「誇り」「アイデンティティ」と思っていた面があります。
妹たちからも頼りにされ、進路などについてアドバイスをしたり。
求められていなくても、良かれと思って情報を調べて伝えることなどもしていました。
いつの間にか自分を苦しめていた
自分では気づかなかったのですが「しっかりしてない自分」を無意識に否定してきたようです。
ただそれは、自分の無意識下で思っているので、なかなか自覚することができません。
勝手に「しっかり者」を発動して、相手から感謝されないと勝手に無力感やイライラを募らせていました。
結構こじらせていた気がします。
でも、よく考えてみると相手から求められているわけではないし、それぞれの考え方や距離感があります。
自分の物差しを他者に押し付けていた自分に、あるとき気づきました。
「しっかり者でなくてもいい」「妹たちももう立派な社会人で、もう面倒を見る対象ではない」
と何度も自分に言い聞かせることで、ようやく少し気楽になってきました。
これはあくまで私の事例なのですが、兄弟・姉妹間で不公平感を感じている方も多いのではないでしょうか。
子供の頃にになった役割を大人になってからも担い続けている、それによって「なぜだかわからなけど苦しい」「損している気がする」と感じている人は、一度振り返ってみてもいいかもしれませんね。
「しっかりしていない自分」を受け入れた

しっかり者は無理をしていたのかもしれないと気づいたのは、結婚してからです。
夫からしたら私は「すぐ怒る」し「うっかりしている」とのこと。
長年担ってきた「しっかり者」ではないのです。
今まで自分を支えてきたその役割を手放すのは、最初は抵抗がありました。
でも、本当の自分、抜けている自分、甘えられない自分を受け入れて書き換えていくことが、勝手に背負っていた重荷を下ろすことにつながりました。
周囲を信じて頼っていく術を身に着けることで、より生きやすくなったのです。
逆にいつも親や兄弟から「しっかりしなさい」と言われてきた人は、大人になっても自分に自信が持ちづらいかもしれませんね。
そんな時は「できたこと」「やってきたこと」にフォーカスして、自分を認めてあげてください。
ありのままの自分を、まずは自分で認めることでだいぶ楽になりますよ。
 
しっかり者という”呪い”を手放した結果
極端に言えば自分で自分にかけていた「しっかり者」という”呪い”から解き放たれた結果、とても楽になりました。
もちろん今でも家族に求められれば情報を集めたり、アドバイスをしたりします。
それでも、自分が忙しい時は妹たちにお願いすることも出来るようになりましたし、彼女たちも快く手伝ってくれます。
一度、実家の母が夏場に体調を崩して食事や水分が摂れなくなり、家事も出来ずに寝込んでしまったことがありました。
その時私は仕事がちょうど立て込んでいて、すぐに駆け付けることができなかったのですが、妹2人に共通LINEで状況を知らせて
「誰か近々様子を見に行けたりするかな?」と聞いてみました。
するとその週末、2人とも栄養補助食品やお総菜などを持参して実家を訪問してくれたのです。
後から母に様子を聞いたところ「2人ともあれこれと食べる手段を講じて、受診も強く勧められた」と言っていました。
今までだったら私が長女として先回りしてやってしまっていたことでしたが、彼女たちのなんと心強いことか、と感じた出来事でした。
それでも家族内の共有連絡をしたり、必要と思われる情報収集をしたり、手配をしてしまっている自分が今でもいますが、もうこれはサガなのだと思います。
でも今は「やりたいからやっている」「無理し過ぎない」と思うようにしています。
 
 
できる範囲で、自分に無理のないスタイルでやる、できないときは素直に甘えることを心掛けるようになった結果、相手への怒りも自然と少なくなりました。
過去と他人は変えられない、と言います。
いままでその役割を担ってきた自分を否定する必要はありません。
むしろ「今までよくやってきたよ私、偉い!」とねぎらってあげる。
でもこれからは
✔ 無理し過ぎない
✔ 頼るべきところは周囲に頼る
✔ 外部の力も借りる、サービスも導入する
といったことを意識していきましょう。
同じように兄弟の役割で苦しくなっている人がいたら、子供のころから知らず知らずのうちに担ってきたその役割を少し緩めてみてください。
これからのあなたが、少しでも生きやすくなりますように。
 
 
 
 
 

 
  
  
  
  

