50代から手放す“べきねば思考” 心をゆるめて生きやすくなるヒント

私らしく生きる

「ちゃんとしなきゃ」「人に迷惑をかけてはいけない」「こうあるべき」——知らず知らずのうちにそんな“べき・ねば”でいっぱいの毎日を送っていませんか?これまで家族や職場、社会の中で長い間「頑張ることが当たり前」「頑張っていない自分が許せない」と走り続けてきたあなたへ。少しだけその「がんばり」をゆるめ、自分らしく生きてみませんか?

いつの間にか刷り込まれた「当たり前」

私たちは知らず知らずのうちに、周りの期待や社会の「当たり前」に縛られてしまうことがあります。

  

それは子供の頃に「そうだ」と思ったことがアップデートされずに続いていたり、学校、仕事、友人、ニュースやメディアから無意識に取り込んだりして形作られたものだったりします。 

  

それが「当たり前」と思っているので、足かせになっていることに自分で気づくのはなかなか難しいのです。

  

ただ「何だか苦しい」「やってみたいけど無理」「こんなことしたら非常識だ」

  

そんな風に感じているとしたら、知らずに刷り込まれた「○○すべき」「○○せねば」という思い込みが邪魔しているかもしれませんね。

  

その思い込みに気づき、ゆるめてみませんか?

  

例えば私は長い間「目立ちたくない」「自分のことを話すのは苦手」と思い込んでいました。

  

ただ、それが人前で話すときや、初めて会う人とのコミュニケーションで大きな足かせになっていることに気づいたのです。

  

その苦手意識を一体いつから持ち始めたのかを考えてみました。

  

すると、中学生になるタイミングに、親の転勤で違う地方に転校したところまでさかのぼったのです。

  

中1のクラスでひとりだけ方言を話せなかったために「気取っている」などとヒソヒソ話をされ、ショックを受けたことを思い出しました。

  

それが大きな傷付きとなって、今に影響をもたらしているのではないか?という仮説に至り、とても驚きました。

  

もちろんそれだけが原因ではないと思います。

  

ただそれ以来「人前で言葉を発すること」への緊張感と、なるべく避けたい気持ちが出てきたような気がします。(転校前までは苦手ではなかったことも思い出しました)

  

それに気づいたのは、キャリアコンサルタントの勉強を始めた40代後半でした。

  

30年のお付き合いの「べきねばさん」です。

  

「もう私は中学生のあのころとは違う」

「言葉が違っていたとしても、今なら恥ずかしくない」

「人はそれほど自分の話を真剣に聞いていない」

  

などと自分の「べきねばさん」をようやく緩めることができたのです。

  

それ以来、人前では緊張するものの以前ほど苦手意識を持たなくなりました。

  

また、個人的な話を開示することにそれほど抵抗を感じなくなりました。

  

適度に自己開示していくことで、初対面の人とのコミュニケーションもスムーズになっていきました。

  

50代からでも遅くはありません。

  

自分の心の声に耳を傾け、がんこな「べき」「ねば」に気づく。

   

そして緩める、手放すことができたら、少し生きやすくなるのではないでしょうか。

  

「べきねばさん」にお礼を言い、手放す

自分を縛っていた思い込みを緩めると、少し心許ないかもしれません。

  

なぜなら、それは自分を守る鎧のようなものでもあり、今まで一緒に生きてきたからです。

  

まずは「気づくこと」が自分を解放し、より自由な生き方をする第一歩となるでしょう。

  

新卒から切れ目なくずっと働いてきた。

  

辞めたとたん「働いていない自分」「頑張れていない自分」が心もとなく感じる。

  

長年のつきあい「頑張らなくては」がしみ込んで、誰かの期待に応えることがデフォルトになっていますから、最初はついその考えに戻ってしまうと思います。

  

ただ、少しずつ意識していくことで、新しい考え方に塗り替えられ、なじんできます。

  

「無理をせず、自分を大切にしていいんだ」

「自分を優先していいんだ」

「これからは誰かのためでなく、自分のために動けばいいんだ」

  

と受け入れて、腑に落ちる瞬間が訪れるでしょう。

  

役目を終えた「べきねばさん」には

  

「今まで私を守ってくれてありがとう」

「おかげで頑張ることができたよ」

  

丁寧にお礼を言ってさよならしましょう。

  

そうすることで、足取りが少し軽くなってくると思います。

    

自分への厳しさを緩めてあげる

自分に厳しくすることは、時には必要です。

  

それにより苦難を乗り越えたり、成長したりしてきたことでしょう。

  

ただ、過度な厳しさはストレスを生み、心身に悪影響を及ぼします。

  

他者には寛容なのに、自分に対しては特に厳しく

  

「まだまだ足りない」

「これくらいではだめだ」

「もっと頑張らないと」

  

どんどんハードルが高くなってしまいます。

   

キャリア相談に来られる方でも、もう十分資格を持っているのに

  

「まだ足りない」

「次はあれと、あれを取らないと」

  

と頑張り続けている人がいます。

  

「頑張らないといけない」「私は能力が低い」という思い込みです。

  

そんな時は率直に「とても苦しそうに見えます」とお伝えすることもあります。

  

なぜそのように思うのか一緒に源流を辿っていくと

   

「親に褒められたことがない」

「能力が低いといわれていた」

「兄弟と比べられていた」

   

といった過去が出てくることがあります。

  

出来ていることには目を向けず、出来ていないことばかりにフォーカスせざるを得なかったのです。

  

ただ、大人になってもその考え方を続けていると、いつまでも達成感は得られませんし、シンプルに苦しくなります。

   

なぜ苦しいのかもわからなかったりします。

   

50代からはもう、自分への厳しさを緩めてあげて欲しいのです。

    

自分を認めることができないと、人からの評価を求めて苦しくなってしまいます。

   

「自分を大切にしていいんだ」「私十分頑張ってきたよね」

   

そんな風に自分に語り掛け、優しく接してあげましょう。

     

今までは難しかったかもしれません。でも、これからでも決して遅くありません。

    

50代からは「自分にやさしく」「無理しない」

50代からは必要以上に無理をせず、自分にやさしく、心を軽くしていくことが大切なのではないかと私は思います。

   

体力が落ちたり、なんとなく体が不調だったり、気持ちが浮かない日もあるでしょう。

    

少しでも「べき」「ねば」を手放し「それでもいいよね」

   

そんな風に心地よい過ごし方を選ぶことを自分に許していきましょう。

   

私は50歳になってから前みたいに頑張れない、しゃきしゃき、テキパキできない、しっかりしていない自分を許せるようになりました。

  

はじめは抵抗がありました。

  

ついつい昔の厳しい自分が「もっと頑張れ」と顔を出すのですが、丁寧にお礼を言ってお引き取りいただくことにしています。

    

自分の心と体の「声」を聞き、その声に従うことで、必要以上の負担は減らしていく。

  

出来ない自分、頑張れない自分、いいじゃないですか。それでも生きているんだから。

   

辛ければ逃げていいし、嫌いならば離れていい。

  

これからは自分をもっともっと大切にし、心を軽くして、過ごしてきましょう。

   

あなたの明日を、応援しています。

  

 

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