「愚痴はよくない」「まとまっていないけど、話していいのかな」そんなふうに言葉を飲み込んでしまうこと、ありませんか?
家族や職場を優先して愚痴らず自分のことは後回しにしてきたミドル世代も多いのではないでしょうか。
けれど心の底に押し込んだストレスはなくなったわけではなく、知らず知らず心と体をこわばらせていきます。
この記事では、心の中にある思いを誰かに「話す」「放つ」ことの意味について、日々の相談支援の中で感じていることをお伝えします。
誰かに話すことで気づく「本当の思い」
自分の話を誰かに聞いてもらったことで「気持ちが落ち着いた」「考えが整理された」といった実感を得たこと、今までにないでしょうか?
カウンセリングやキャリアコンサルティングの場で、誰かに「話す」ことは、それだけで癒しに繋がることを日々目の当たりにしています。
心の中にある”モヤモヤ”は、一旦体の外に出すことで客観的に見つめることができるようになります。
「あれ? 私、こんなことを考えていたんだ」
「本当はあの一言にずっと傷ついていたんだ」
「私って実はこんな考え方のクセがあるんだ」
そうやって、自分の本音や思考パターンに気づける瞬間があります。
誰かに答えをもらうのではなく、自分自身の声にそっと耳を傾ける作業。
気づいた瞬間から、何かが変わり始めます。
長く我慢してきた人ほど、その気づきは深く、じわじわと心をほぐしてくれるんです。
ストレスを「放つ」ことで軽くなる心
話すことで、もう一つ大きな変化。
それは、内にたまった“負のエネルギー”が「外に放たれる」こと。
「こんなこと愚痴ってごめんなさい」
「まとまってないんですけど、いいですか?」
と前置きして話される方も多いのですが、
まとまっていないからこそ、相談したいと思うのではないでしょうか。
実はその“愚痴””まとまらない想い”にこそ、大切なヒントが隠れていることがあります。
・何がつらいのか
・なぜ悲しいのか
・どうしてイライラしてしまうのか
それらを言葉にすることで、自分の中の感情が少しずつ整理され、気づきへと変わっていくのです。
「愚痴」は裏返すと「本当はこうならいいのに」という”理想”や”願い”であると思ってお聞きしています。
誰かに話すことで押し込めていたものが、少し浮上する。
重たい荷物をひとつ下ろすような感覚にも似ています。
荷袋をおろしたら、気球がふわりと浮くように、心が軽く感じるのではないでしょうか。
相談ルームに入るときと、出ていくときの表情はまるで違う、何かほっとしたように柔らかくなる方も多いものです。
「愚痴るのはよくない」などの自分を縛っているルールを少しだけ和らげてみませんか?
時間を味方に 一度で解決しなくても大丈夫
もちろん、一度話しただけですべてが解決するわけではありません。
それだけ長く、深く、抱えてきた思いなのですから。
けれど、それでいいのです。
何度でも話して、少しずつ「放つ」こと。
その繰り返すプロセスこそが、回復につながっていきます。
ときには同じ話を何度も繰り返してしまうこともあるかもしれません。
でも、そのたびに少しずつ言葉が変わり、感情の向きも変わっていくのです。
外に放たれた言葉、自分の気持ちを客観的にみて、
「ああ、自分はこんなことを大切に思っていたんだ」
「こんなことが辛かったけど、感じないようにして心の底に押し込めていたんだ」
自分の本当の願いや想いに気づき、いたわりの気持ちが芽生えるのです。
気づくこと自体がとても難しく、貴重なことなのです。
まず気づけたことで、どうしていけばいいか答えが見えてくることも多いのです。
整理されていく中で 自分が愛おしく思える

例えば、私は三姉妹の長女として
「しっかりしなくては」
「役に立たない私は価値がない」
「人に頼るなら自分でやってしまう方がいい」
そんな思い込みをもって生きてきました。
でも、当たり前すぎて自分では気づけなかった。
40代後半でそんな生き方に何か生き苦しさを感じ、何度も自分について理解を深めていきました。
そうすることで本当に少しずつですが、手放せるようになりました。
「ちゃんとしなきゃ」という思いが強い方は、感情や本音をしまい込みすぎてしまう傾向があります。
✔ 手放すことで余白が生まれる
✔ 自分が担っていた役割を誰かに渡すことが、学びや育ちにつながる
そういったことも実感しました。
「話すこと」「放つこと」自体が、自分を整える力になります。
✔ 何がつらいのか、何を手放せば楽になるのか。
✔ 本当はどうありたいのか。何が阻んでいるのか。
✔ 本音ではどう接してほしいのか。はっきり言えないのはなぜなのか。
自分自身で思いめぐらし、言葉にしてあげること。
それが、自分をもっと大切にする第一歩なのです。
どう受け取られるか、不安ですよね。
なので、まずは守秘義務が守られている安心安全の場で、カウンセラーなどの第三者に話してみてもよいのではないでしょうか。
話すことは、放つこと。
放ってできたスペースに、新しい風が吹き抜けます。
あなたの中にある“まだ言葉になっていない気持ち”は、そこにあるだけで大切な存在です。
外に出たがっていますよ。
話してもいい。書いて解き放ってもいい。
ひとりで抱えてきたその思いに、そっと出口をつくってあげませんか?
あなたのペースで、ゆっくり、じっくりと。
その旅路に、いつでも寄り添う場所があることを、どうかどうか、忘れないでくださいね。
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