「せっかく入った職場、すぐ辞めるのはよくないよね……」
そんなふうに、自分の気持ちを押し殺して頑張っていませんか?
人間には相性があります。仕事内容だけでなく、誰と・どこで・どんな雰囲気の中で働くかが、心の健やかさに影響します。
私も「もう少し頑張ろう」と無理をして心がすり減って体調を崩した経験があります。
だからこそ今は「自分にとってよりよい居場所を選ぶことは、自分を大切にすること」だと思っています。
条件が良くても「相性」が合わないことはある
いろいろな仕事に興味を持ち、ご縁をいただいて新しい職場に入る。
そんな前向きな一歩を踏み出したのに、実際に始めてみると「あれ?」と心が引っかかることはありませんか。
仕事の進め方や、教え方。
その場の空気や価値観。
どこかで「ちょっと違うかもしれない」と感じてしまう。
あなたにも、そんな経験はないでしょうか。
私自身、我慢して居続けるのではなく、早めに身を引く選択を続けた経験があります。
逃げたかったわけではありません。
でも、心が「ここで無理を重ねるのは違う」と静かに告げていたのです。
面接のときには、面接官にどんな環境か、できるだけ丁寧に確認しますよね。
けれど、実際の運用や人との相性は、入ってみなければ分からないことも多いもの。
これはもう、どんなに慎重でも避けきれない部分なのかもしれません。
もちろん、我慢して踏ん張ることもできます。
長く働いてきて、簡単には折れない心を身に着けている方も多いのではないでしょうか。
「ここはぐっとこらえよう」と、自分を奮い立たせる力も持っています。
それにより居心地がよくなる可能性が大いにあります。
けれど——
このまま続けたら、ずっともやもやしたままかもしれない。
少しずつ、確実に、心がすり減っていくかもしれない。
そう感じたとき。
あなたなら、どうするでしょうか。
誠心誠意お詫びをして、早めに離れる。
それもひとつの選択ではないでしょうか。
「続けること」だけが正解ではないと思うのです。
辞める決断の前に「相手のメガネ」で見てみる
辞めると決める前に、できることもあります。
それは、相性が合わないと感じる相手とのコミュニケーションを、少しだけ立ち止まって見つめてみること。
もしかしたら、自分の「大切にしている価値観」と、相手の「大切にしている価値観」が違うだけかもしれません。
スピードを重んじる人と、丁寧さを重んじる人。
結果を最優先にする人と、プロセスを大事にする人。
どちらが正しい、ではないのですよね。
ただ、違うだけ。
相手は何を大事にしているのだろう。
どんな評価軸で物事を見ているのだろう。
そう考えてみると、少しだけ距離の取り方が見えてくることもあります。
そしてもうひとつ。
当たりの強い上司や同僚に出会ったときは、その人のコミュニケーションタイプを客観的に眺めてみるのもひとつの方法です。
たとえば交流分析の視点で、
その人は「厳しく管理する親タイプ」なのか。
それとも「競争心の強い子どもタイプ」なのか。
タイプが見えてくると、「この人はこういう傾向があるのだ」と少し冷静になれます。
真正面から受け止めすぎなくてよくなるのです。
あなたの心は、あなたが守っていい。
その場所で努力することも尊いけれど、離れることもまた、弱さではありません。
今いる場所でできることを試してみる。
それでも違うと感じたら、自分をすり減らす前に一歩引く勇気を持つ。
あなたは今、どんな選択をしようとしていますか。
その選択は、本当にあなたの心を大切にできているでしょうか。
心がすり減りすぎる環境なら、立ち止まる勇気を
新卒で入った会社を2年と少しで退職しましたが、当時はかなりの罪悪感を感じました。
新卒で入った会社ではいろいろと古い習慣や、仕事のやり方、高圧的な上司などにモヤモヤと不満を抱えながらも我慢して慣れていきました。
「だいぶ慣れたな」「続けられそうかな」と感じた3年目を迎えるころ、真冬なのに大量の汗をかいたり、めまいや背中の苦しさが襲ってきて、退職することを選びました。
後年、あるキャリアコンサルタントの方からその「罪悪感」について掘り下げる質問を受けて
「うーーーん。当時は気づかなかったけど、いつの間にかそういう考え方が染みついていたのかも・・・」
と答えている自分がいました。
つまり「すぐに辞めることはよくないこと」という価値観が知らぬ間に刷り込まれていたのです。
就職氷河期性世代という時代背景もあったでしょう。
今の私は、自分を押し殺して続ける方が違和感があります。
「辞める=悪」ではない。環境を変えるという選択

「すぐに辞めるのはよくない」
「我慢が足りない」
そんな言葉を、これまで何度も耳にしてきませんでしたか。
ひとつの場所で長く続けることが美徳。
我慢してこそ一人前。
そんな価値観の中で、私たちは育ってきたのかもしれません。
でも、どんな場合でも、それが正しいのでしょうか。
あなたの心が悲鳴をあげているときでも、同じことが言えるでしょうか。
たしかに、最初は「向かないかも」「無理かもしれない」と思っていても、
毎日なんとか出勤し、目の前のことをこなしていくうちに、少しずつ慣れていくこともあります。
できなかったことが、ある日ふっとできるようになる。
「ありがとう」と言われて、胸の奥があたたかくなる。
最初は苦手だった人が実は真剣に自分のことを考えてくれていた。
そんな小さな達成感や発見が、ぽつりぽつりと灯ることもありますよね。
その灯りを大切に抱えながら気づけば数年経っていた。
振り返れば「あの時間があったから今がある」と思える。
続けることが、大きな自信につながることもある。
そんな経験も、確かにある。
だからこそ、簡単に結論は出せないですよね。
けれど——
本当に心がすり減っているなら。
朝起きるたびに体が重く、涙がにじむようなら。
食欲がなくなったり、眠れなくなったり、体に異変が出ているなら。
そのときは、まず何よりも優先すべきものがあります。
それは、あなた自身です。
まずは、その場所から物理的に「離れる」。
休む。
距離を取る。
それは逃げではなく、回復のための選択。
長い人生を歩くための、大切な中断です。
あなたに合う場所は、必ずあります。
息がしやすい場所。
自分の声がちゃんと届く場所。
無理に背伸びをしなくても、自然に笑顔になれる場所。
今いる場所がすべてではありません。
まずは、心と体を整えること。
十分に眠り、食べ、安心できる時間を取り戻すこと。
そして、少し元気が戻ってきたら——
静かな気持ちで問いかけてみてください。
私は、本当は何を大切にしたいのだろう。
どんな働き方なら、誇らしく思えるだろう。
どんな瞬間に、心があたたかくなるだろう。
これまでの場所で「良かったこと」は何ですか。
逆に「どうしても苦しかったこと」は何でしたか。
好きと嫌い。
心地よいと違和感。
その一つひとつが、あなたの大切なヒントです。
焦らなくて大丈夫。
ゆっくりでいいのです。
けれど、探すことだけは、どうか諦めないでください。
あなたがあなたらしくいられる場所を。
人生は思っているよりも長く、そして、やり直しがききます。
これからの時間を、どんな空気の中で過ごしたいですか。
あなたの心が静かに「ここがいい」と頷ける場所を、どうかあきらめず探し続けてくださいね。
自分にとっての“居心地よさ”を見つけるヒント
あなたが息がしやすいはたらく場所、それを探すためには、まず下記の2つを深堀りしてみましょう。
❶自分を知る
(自分はどんなことが好きか、得意か、どんな価値観や環境を大切にしているかを知る)
❷職業・能力を知る
(経験やスキル・価値観を満たせる職業は何か、どんな会社なら生かせそうか)
次に、その仕事や会社はどんなところで見つけられそうかを調べていきます。
なるべく多くの選択肢にアタックしていく(つまり、出会う確率や選択肢を増やしていく)ことをお勧めしています。
さらに、書類や面接でどんなことをアピールできるかを考えます。
これまでの職歴を整理して、その中で学んだこと、
得たスキル・経験を細かく棚卸して、応募先とどこに「接点」「共通点」があるかを探っていきます。
同時にその会社などで働きたいという「意欲・熱意」を整理します。
本当に深く考えて、事前に職場環境や人間関係を出来る限り確認することで、入ってからのギャップを可能な限り減らすことを試みましょう。
それが長期的には「自分に合う仕事」「職場」を探していく近道になると思うのです。
「続けること」だけが正解ではありません。
本当は辞めた方が心がラクになるのに「すぐ辞めるのはよくない」と自分を責めてしまう
——そんなやさしくまじめなあなたにこそ、自分の居場所を見直す視点が必要だと思います。
誰と、どこで働くかは、人生の質そのものに関わってきます。
あなたの心がふっとやわらぐような場所が、きっとあります。
一人で難しいと感じる方は、キャリアコンサルタントなどと一緒にひも解きながら一歩ずつ進めてみてくださいね。
あなたが心地よく、成長を感じながら働ける職業、職場に出会えることを心から応援しています。
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